現代社会における夫婦の形を問いかける、渡辺ペコさん作の『1122(いいふうふ)』は、結婚7年目のセックスレス夫婦、相原一子(いちこ)と相原二也(おとや)を中心に描かれる話題作です。
この作品では、「公認不倫」という独特の設定を通じて、夫婦関係の複雑さや愛情の形をリアルに描き出します。
今年、ドラマ化も決定しており、さらに注目を集めています。
この記事では、『1122』のあらすじをネタバレありで巻別にご紹介していきますので、夫婦のあり方や恋愛の本質について考えさせられる『1122』の世界を、ぜひ触れてみてください。
「1122」の巻別あらすじ【ネタバレ注意】
『1122(いいふうふ)』は、結婚7年目の夫婦、相原一子(いちこ)と相原二也(おとや)のリアルで複雑な夫婦関係を描いた作品です。
セックスレスという問題に直面しながらも「婚外恋愛許可制(公認不倫)」を取り入れた二人の生活は、一見平穏に見えながらも徐々に崩れていきます。
本作は、現代の結婚生活のリアルを鋭く描き、読者に「結婚とは何か」を問いかける意欲作です。
『1122』の深いテーマと登場人物の心理描写は、夫婦のあり方を改めて考えさせる一冊となっています。
それでは、以下巻別にあらすじをご紹介していきます。
1巻のあらすじ
『1122(いいふうふ)』の物語は、結婚7年目の夫婦、相原一子(いちこ)と相原二也(おとや)の生活から始まります。
二人は仲良しですが、長年のセックスレスに悩んでおり、「婚外恋愛許可制(公認不倫)」という形でお互いの不倫を公認しています。二也には美月という恋人がいますが、一子もその関係を承知しています。
そして物語は、結婚記念日に二也が一子のセックスの誘いを断ったことで、夫婦の関係が少しずつ崩れていく様子を描いています。二也は一子にセックスを迫りますが、うまくいきません。一子は「彼女とはできるんだよね」と責めることで、二也の気持ちをさらに揺さぶります。この出来事をきっかけに、一子は女性向け風俗に足を運び、大学生の礼という男性と出会います。
一方、二也は一子の行動に不安を感じ始めます。一子が風俗に通い始めたことに気づき、彼女の変化に戸惑う二也。しかし、二也自身も美月という女性と関係を深めていきます。二也は美月に夢中になり、一子との関係はますます悪化していきます 。
2巻のあらすじ
2巻では、一子と二也の関係のさらなる変化が描かれます。
一子は礼との関係を続ける中で、自分自身の感情と向き合うことになります。
一方、二也は美月との関係がますます深まり、不倫にのめり込んでいきます。美月もまた、二也への思いを募らせ、不倫の深みにはまっていきます 。
この巻では、一子が礼との関係を通じて、自分の性欲や欲求不満に対処し始める様子が描かれます。彼女は礼との時間を楽しみながらも、夫婦関係の再構築を模索しています。
一方、二也は美月との関係を続ける中で、次第にその関係の危うさに気づき始めます 。
お互いに公認の不倫関係を持つことで、夫婦としてのあり方や個々の感情にどう影響を与えるのかを深く掘り下げています。
3巻のあらすじ
3巻では、一子と二也の関係がさらに複雑化します。
一子は礼との新しい関係に心を開き、二人の関係は親密になっていきます。その一方で、二也は美月との関係がエスカレートし、美月から「奥さんと別れて自分と子供と一緒に暮らせないか」と迫られる場面が描かれます。
しかし一方で、この巻では、二也がぎっくり腰になり、一子がその看病をするシーンもあります。二也の身体的なトラブルを通じて、一子との関係の再確認が試みられますが、二人の間にはまだ溝が残っています。また、美月の心理的な不安定さも強調され、彼女が二也に対して過剰な依存を示す場面も描かれています。
4巻のあらすじ
一子と礼の関係がさらに進展します。
一子は礼とホテルで会い、そこで初めての体験を通じて、自分の性欲や感情に対する理解を深めていきます。
一方で、二也は美月との関係に疲れ始め、家庭内での問題に直面します。
この巻のクライマックスは、美月が二也に対して極端な行動に出る場面です。美月は二也の局部を刺すというショッキングな行動に出ます。この事件をきっかけに、二也は美月との関係を見直し、一子と二也の間で再び対話が始まります。
二也はこの事件について一子に正直に話し、公認不倫を終えて夫婦関係を修復しようと試みます。
5巻のあらすじ
一子と二也の関係がさらに深刻化します。
美月が二也の局部を刺した事件から回復した二也は、一子と再び関係を修復しようと試みます。
しかし、二人の間のセックスレスは解消されず、二也は一子とのセックスに失敗します。
一方、美月の妊娠が発覚し、夫の志朗はその子供が浮気相手の二也の子ではないかと疑います。美月は強く志朗の子だと主張しますが、疑念は晴れません 。
この中で、一子はセックスレスの問題を解決するために礼と再び会い、彼との関係を深めていきます。二也は一子と礼が一緒にいるのを目撃し、その夜、家を出ることを決意します 。
6巻のあらすじ
6巻では、二也が家を出てからの生活が描かれます。
二也は風俗に行き、自分の抱える悩みを風俗嬢に打ち明けることで一時的にスッキリします 。
その一方で、美月の夫・志朗は仕事を早く切り上げて家事と育児を手伝うようになります。妊娠中の美月を助けるために、志朗は家事の分担を増やし、妻への感謝の気持ちを素直に表現するようになります。
一方、一子は風邪を引いてしまい、その看病のために二也は家に戻ります。これを機に、二人は再び子供を作ることを考え始めます。二也と一子は一緒に過ごす時間を取り戻し、互いの絆を再確認しようと努めます。
この巻では、夫婦間の問題やそれぞれの感情の葛藤がさらに深く掘り下げられ、物語が大きく動き出す場面が多く描かれています。特に、志朗の行動の変化や一子と二也の関係修復の試みが見どころです 。
7巻(最終巻)のあらすじ
7巻は、二也が美月と別れた後の姿から始まります。
美月との関係が終わったものの、彼女の言葉が二也にとって「呪い」のように残り、セックスができない状態に陥ります。この状態の中で、一子が風俗店での体験を打ち明けることを知った二也は深く傷つき、家出を決意します。
別居生活を続ける中、二也は風俗店を訪れて自分の悩みを打ち明け、一時的な心の平穏を得ます。その後、一子が風邪で倒れた際、彼女の看病のために家に戻った二也は、自分のED(勃起不全)について正直に話します。この告白を受けた一子は、二也の苦しみを理解し、二人で一緒に解決しようと決意します 。
その一方で、一子は礼から「会いたい」という連絡を受け、彼との関係を再考します。しかし、最終的に一子は夫の二也と共に生きていくことを選び、礼にきっぱりと別れを告げます。二人は一緒に不妊治療に取り組むことを決意します。
一方、美月と夫の志朗は、夫婦関係を再構築しようと努力します。志朗は美月を海外に連れて行くことを決め、家族として新しいスタートを切ろうとします。美月は海外に行く前に二也に謝罪し、最後の再会を果たします。
最終的に、一子と二也は離婚を選択します。
結婚8年目のある暑い日曜日の朝、二人はそれぞれの道を歩むことを決意しますが、その後、一子は母の急死に直面し、再び二也に助けを求めます。
物語は、二人が互いに支え合いながら新たな人生を歩み始める姿で終わります。
「1122」の見どころ
渡辺ペコさん作の漫画『1122』は、結婚生活や夫婦関係のリアルな側面を描いた作品で、多くの読者に感動と共感を与えています。
ここでは、『1122』の主な見どころをご紹介します。
まず、『1122』の物語は、結婚7年目の夫婦である一子(いちこ)と二也(おとや)を中心に展開します。二人はセックスレスに悩み、「婚外恋愛許可制(公認不倫)」という形でそれぞれ外に恋人を作ります。二也には美月という恋人がいて、一子も礼という大学生と関係を持ちます。この設定だけでも斬新で、読者の興味を引きますが、物語はそれだけではありません。
『1122』の見どころの一つは、キャラクターたちの心理描写の繊細さです。
渡辺ペコさんによって、キャラクターたちの感情の揺れ動きや葛藤を丁寧に描かれています。一子と二也は、お互いに対する不満や不安を抱えつつも、日常生活を続けていきます。特に、一子が礼との関係を通じて自分自身を見つめ直す過程や、二也が美月との関係で感じる罪悪感や葛藤がリアルに描かれています。
さらに、家事や育児に対する夫婦の役割分担も重要なテーマとして取り上げられています。
二也は家事を積極的にこなす一方で、美月の夫である志朗は家事や育児にほとんど関わらず、これが美月の不満の一因となります。こうした家庭内の役割分担の違いや、それに伴う夫婦の感情のズレが、物語のリアリティを高めています。
また、物語は夫婦関係の再構築や破綻、そしてその後の新しい生活への希望を描いています。
二也と一子は、一度は公認不倫を終えて関係を修復しようとしますが、最終的には離婚を選択します。
しかし、その過程で互いに対する理解や感謝の気持ちを再確認し、別々の道を歩みながらも、新たなスタートを切ります。このように、物語は単なる夫婦の破綻ではなく、成長と再生の物語として描かれています 。
最後に、『1122』は、多様な夫婦の形や結婚観を問いかける作品として、多くの読者に共感を呼び起こしています。現代社会における結婚や夫婦関係の複雑さをリアルに描き、読者に「夫婦とは何か」、「結婚とは何か」を考えさせる深い作品です
「1122」はどこで読める?配信サイトまとめ
漫画『1122』の電子書籍は、以下のサイトで配信されています。
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「1122」が問いかける夫婦の形【まとめ】
『1122』は、セックスレスや不倫という現代の結婚生活におけるリアルな問題を描きつつ、夫婦のあり方を深く考えさせる作品です。
最終巻まで読み進める中で、相原一子と相原二也の葛藤や成長を通じて、「良い夫婦」とは何か、「結婚」とは何かについて改めて考えさせられるのではないでしょうか。
この漫画が多くの人に支持される理由は、そのリアルな描写と普遍的なテーマにあります。
『1122』は、夫婦の形について考えるきっかけとなる作品になっています。